・帯状疱疹後神経痛 

 

 

たいじょうほうしん、ここでは帯状疱疹ヘルペス(VZV)について詳しく説明します。

帯状疱疹は子供の頃にかかった水痘(みずぼうそう)のウィルスが何十年も神経細胞の中で眠っていた後に突然暴れ出して起こる病気で、子供の頃に水疱瘡になったことがある人はみんな体の中にこのウィルスを持っています。

発症の仕組み
ヘルペスウィルスは体が健康な時、あなたの体の中に潜伏しています。
潜伏場所はヘルペスⅠ型、Ⅱ型のウィルスが神経節に潜伏するのと違い、帯状疱疹のウィルスは、この神経節の周りにあるサテライト(※1)に潜伏しています。

このウィルスも病気などにより、体の免疫力が低下した時などにウィルスが突然暴れだし発症します。
しかし、帯状疱疹は多くの場合再発はありません。一生に一度発症するだけの人が多いのです。

しかし、ここ最近の研究の結果、再発する人もいることがわかっています。
また、膠原病やエイズなどの患者は再発します。


※1 サテライト(帯状疱疹の潜伏場所)
サテライトとは直訳すると衛星ですがここでの意味としては、水痘・帯状疱疹ウィルス(VZV)が潜伏感染している脊髄後根神経節、あるいは三叉神経節の中にある神経細胞を取り囲んでいる細胞のサテライトセルに、ウィルス遺伝子の状態で感染していると現在では解釈されています。


HSVは、神経細胞の中に(ウィルスとしてではなく)ウィルス遺伝子の状態で潜伏します。
この潜伏状態でいる細胞の違いが、再活性化する病変の違いに関係があると考えられています。




【水疱瘡と帯状疱疹の関係】

 

水痘・帯状疱疹ウィルス(varicella-zoster virus,VZV)は、
その名の通り、幼児期には水痘(水疱瘡)を起こし、歳をとったり、免疫力が低下してきたときに再活性化して、神経に沿って痛いぶつぶつができる、帯状疱疹を起こすウィルスです。
上気道粘膜から飛沫感染し、初感染である水疱瘡がおきると、その後三叉神経節や脊髄後根神経節に潜伏感染します。再活性化して帯状疱疹ができます。皮膚に出来る疱疹が一般的です。
この疱疹こそはギリシャ語で言う“herpes”に由来した言葉です。神経症状があらわれることもあります。
特殊な帯状疱疹としては、全身に出る汎発性帯状疱疹、多発性帯状疱疹、眼部帯状疱疹、Hunt症候群などもあります。


感染について
帯状疱疹では、水痘・帯状疱疹ウィルス(VZV)は病変部のみに存在しているため、ヘルペスⅠ型・Ⅱ型とは違い一般に他人に感染しないものと考えられます。
しかしまだ水疱瘡をやっていない人に接触すると水疱瘡を発症することがありますので、まだ水疱瘡をやっていない人との接触は注意しましょう。


症状
このウィルスが神経を通って皮膚に出てくるときに、神経痛に似た痛みがあります。
水痘のできる範囲も
神経の分布領域と一致し、体の片側だけで帯状の配列をとります。
発症は4~5日すると痛みのある部分の皮膚が、赤くなってきてその中に次々と小さな水痘(水ぶくれ)がたくさん出てきます。
水痘は1~2週間増えつづけこれが破れてただれ、潰瘍となりますがやがて乾燥して、かさぶたとなり若い人では2週間、お年よりでも3週間くらいで治ります。

帯状疱疹の神経痛に似た痛みは、きちんと治療しないと、後になって帯状疱疹後神経痛という病気になって残り、時折痛みを繰り返します。治療は根気よくきちんと治しましょう。

帯状疱疹は昔はお年寄りの病気として知られていましたが、最近では子供の帯状疱疹も増えてきています。


帯状疱疹後神経痛
帯状疱疹は非常に痛い病気ですが、皮膚の発疹が治る頃には痛みもなくなります。
しかし痛みだけが後遺症として残ることがあり、これを帯状疱疹後神経痛と呼びます。これは、良い治療法がなく、引き裂かれるような、えぐられるような、焼けるような痛みがあるといわれ、鎮痛剤もあまり効果がありません。が、うつ病の患者さんに使われる抗うつ剤が効くことがあります。

また、トウガラシの有効成分であるカプサイシンの塗り薬や皮膚の血管を拡張させて血流を良くする貼り薬、カイロやお風呂に入って温めると痛みが軽くなる事もあります。
帯状疱疹後神経痛の時期には、もうウィルスは活動していないので抗ウィルス剤は効きません。
また、高齢者では、帯状疱疹の治癒後に痛みが残存する事が多く、帯状疱疹後、長期にわたって痛みを訴える患者の70%は60歳以上です。
若年者は免疫能力が高齢者にくらべ高いので、このことが帯状疱疹後神経痛に関与していると考えられています。


<帯状疱疹後神経痛を残さないようにするには?>

帯状疱疹後神経痛(PHN)は、水痘・帯状疱疹ウィルス(VZV)の再活性化によって引き起こされ発症しますが、現時点ではVZVの再活性化を防ぐ事は不可能です。
しかし、VZVVの増殖に伴って神経に炎症が生じておこる痛みは、局所麻酔による神経ブロックや鎮痛薬などを用いて、急性期の痛みを徹底的に押さえる事はできます。

痛みが発生する経路は次の通りで、
知覚→交感→運動神経→に過剰な緊張を生み、局所の血流を減少させます。
この局所の血流低下は、神経組織の性質の変化を援護し“痛みの悪循環”を形成します。
つまり帯状疱疹後神経痛を防ぐポイントは、局所の血流を減少させない事です。
血流を改善する基本は、交感神経の緊張を緩め、血管を弛緩させることで、入浴が有効です。

 
治療方法
軽い場合は鎮痛剤などを内服するだけで自然に治りますが、ウィルスの増殖を止めてしまう抗ウィルス剤が開発されているので早めに病院へ行き、治療することが大切です。
とくに目の周りの帯状疱疹や痛みの強い場合、麻痺が見られる場合汎発疹(はんぱつしん:広範囲に水痘ができる場合)などには抗ウィルス剤による治療が必要です。
いずれにせよ抗ウィルス剤は、早期に使わないと意味がないので、早めの治療をおすすめします。


<抗ウィルス剤について>

抗ウィルス剤には点滴注射、内服薬、塗り薬があります。ほとんどの帯状疱疹には外来で内服薬により治療できますが、悪性腫瘍などの基礎疾患があって免疫が低下している人や臓器移植をし患者の帯状疱疹は、入院して点滴注射で治療する必要があります。

 
<子供への感染>

帯状疱疹のある人は、水疱瘡をまだ患っていない人との接触は水疱瘡を引き起こすことがありますので注意してください。

 



【医学】帯状疱疹、感染の仕組み解明 大阪大、神戸大などのチーム

水痘や帯状疱疹を引き起こすウイルスが神経組織に感染する仕組みを、大阪大や神戸大などの研究チームが解明し、米科学アカデミー紀要電子版に発表した。

神経細胞の表面にある突起に、ウイルス表面の突起がくっつくことで感染が起きていた。これを邪魔する抗体を加えると感染が起きにくくなることを培養細胞の実験で確認。荒瀬尚大阪大教授は「感染を防いで痛みを和らげる新たな治療法につながる可能性がある」と話している。

チームは、水痘・帯状疱疹ウイルスや単純ヘルペスウイルスを人の培養細胞に感染させて実験。いずれのウイルスも、軸索が伸びるのを制御するMAGという神経突起に取り付き、細胞内に遺伝子を送り込んで増殖していた。

荒瀬教授は「抗体を薬として使うことができるか今後確かめたい」としている。

当院には、帯状疱疹後神経痛に関しては、痛みを完全に取り除くことができた症例があります。

“引き裂かれるような、内側から差し込むような痛み”に苦しんで10年以上。この方は、1日も休まず襲ってくる痛みに耐えられず、うつになり、自殺を考えたほど辛い戦いだったと言います。それが3回のタカダイオン電子療法でほとんど痛みが感じられなくなり、大好きなゴルフをもう一度やりたいと思い、「10年ぶりにコースをまわれて嬉しかった」と言うのですから、驚きです。
 

また、帯状疱疹より12年。痛みが続き、一日も熟睡出来た日はなく、この12年、主人の給料のほとんどは私の医療費に消えていったと苦しい胸のうちを聞かせてくださった患者様などは、施術当日より痛みから解放されて、眠れたのだということを2回目の施術の時に報告してくださいました。

 

帯状疱疹は、早期に発見と適切な治療によって、ほとんどの人が二度と再発しないと言われていました。しかし、中には再発してしまう方がおられます。帯状疱疹は、免疫力が低下している時に不意に襲ってくるもの、というイメージがあると思います。

あながち、これは間違いではないようです。様々調べてみますと、帯状疱疹と判明した瞬間から、完治に至るまでの期間、冷やしたり、温めたりを繰り返していたような方に後遺症が残っているようです。ですから、温めに徹した方が良いと思われます。

帯状疱疹にかかられて、治療開始より完治まで、体を冷やすことは避けて下さい。
体を冷やさず、温める方法で、後遺症である神経痛にならなくて済むようですので、温めることを心がけて大事にしてください。

電子負荷療法は、温めのみで免疫を正常にします。傷みの原因は、今感じている広い範囲ではなくて、意外な場所に原因がある場合があります。体の中に潜んでいる原因場所は、目で見て確認することはできません。また、触診でも発見することはできません。こうした場合、正確に原因場所を特定する方法をとっている療法が必要になります。

飲み薬、塗り薬などは、良い場所にも効いてしまうという副作用が不安でしょう。

電子負荷療法は、薬による副作用を中和し、無害化するので、病院治療と併用して行うと良いでしょう。